<新型コロナウィルス感染症について>
いよいよワクチン接種が始まりました。即効性のある特効薬の発明と違い、感染予防のための筋肉注射を施すわけですから、短時間にして事態が好転することはないのです。ワクチン接種は時間をかけ順序立てて安全性に十分配慮していただき、新型コロナウィルス感染症の終息を願うばかりです。
<子ども時代の思い出 一ト市のひな市 (玉川)>
三学期も終わり、春休み初日の楽しみは玉川一ト市のひな市。一日10円と決まっていた小遣いも今日は30円もらった。焼きそばが10円、団子も10円、金魚すくい10円、ひよこも一羽10円だったような気がする。子どもが買える品もいろいろあったが片っ端から楽しめるほど小遣いもない。前の日から「何を買おう」「何はやめよう」と兄弟で話し合いながら優先順位をつける。焼けたソースの匂いと青のりのかかったひげで作った小舟のような容器に盛られた焼きそば、私にとってはとても食べたい一品だった。
この市の目的は何といってもおひな様の販売。ガラス箱に入ったきれいなおひな様が山のように積み上げられて、多くの人々が女子の成長を願って買い求める。それは私のお目当てではなかったけれど、おひな様のきれいだったことだけは覚えている。
当地のお節句はひと月遅れの4月3日。私には姉がひとりいたので、母と姉はお彼岸が終わると床の間におひな様を飾った。当時は段飾りより御殿飾りがはやりで屋根のついたお屋敷模型の中におひな様を納めた。親戚からもらったガラス箱入りのひな人形も大小さまざまで家の中が明るくなった。
桃の節句は、昔から女子の成長を祝ってひな飾りをする日である。親戚はお節句より前にひな人形を送る習いから当地でもその日に合わせておひな様の市が立った。人々は春のおとずれを感じながらひな市を楽しんでいた。